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モンパルナスの駅から近く、
「桜の木の下で」という意味の料理店がある。

僕はそこで尊敬する作家と会い、
一つのことを教えられる。

「見えているのは、過去でも未来でもなく、
 いつだって現在しかない」

初めて訪れたパリは大雪に見舞われ、
バスティーユのマルシェに並ぶ料理は、
一層、あたたかく感じられた。

パリは燃えているかと問われたら、
燃えるどころか真っ白ですと答えたが、
エッフェル塔は燃えていた。

帰国した今も、そんなパリの情景を、
はっきりと思い出せるのに、
記憶の断片をつなげて見えるのは、
下北沢にいるという現在だ。

もう次の旅が、始まっている。

2月2013年

Design / Photo

水主 隆文